
どうやったら簿記の勉強効率が上がるんだろう

簿記初心者が上達するためのコツを知りたい!
なんてお考えではないですか?
簿記の勉強を始めたばかりの初心者の場合だと、仕訳や勘定科目がすぐには思い浮かばなかったり貸借を間違えてしまいがちです。
そのような判断ミスを防ぐためには、簿記のルールをしっかりと抑えておく事が必要です。
この記事を読んでもらえると簿記初心者がコツを抑えて効率よく勉強を進めていく事が出来ますよ!
簿記とは
会社などの経済活動を記録して財務諸表[1]貸借対照表と損益計算書を作成する事で経営成績や経営状態を明らかにする事を可能とするものです。
毎年、検定試験が行われており、日本商工会議所・全国経理教育協会・全国商業高等学校協会の3団体が、それぞれ主催しています。
直前試験の受験者数は29万人を超える程の人気資格となっています。
また、数ある資格の中でも費用対効果が高くなっています。というのも一般事務や経理事務では、簿記資格を保有している事が就業するための前提条件となっている事がほとんどのためです。
また、税理士の資格試験の受験資格の一つが日商簿記1級もしくは全経簿記上級となっているため将来的に会計専門職を目指す方の登竜門となっています。
一般事務や経理事務は業界や企業規模を問わず、あらゆる会社で必要になるので、就職や転職の際でも有用な資格です。
さらに、営業職や会社経営においても収支の把握やコスト管理する際に、簿記の知識が有効活用する事が出来ますので、ビジネスパーソンの教養と言う事も出来ます。
最近は、クラウド会計などテクノロジーの発展により必ずしもオフィスに常駐させる必要がなくなっているため経理をアウトソーシングする企業も出てきており今後は簿記にまつわる就業形態も多様化して行くと考えられます。
基本は反復学習
簿記の勉強は新たな語学の習得に似ています。簿記の習熟度を上げるためには、勘定科目と言う簿記の単語を覚える事、また文法とも言えるような複式簿記による貸借一致の原則などのルールを理解する事に尽きます。
このような勘定科目や簿記のルールの練度を上げるためには、反復学習が有効です。
これは、19世紀のドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによる研究により人の記憶は、忘却曲線を描くように失われていくという事からも明らかです。
エビングハウスの忘却曲線では、一度学習した事を再学習した際に記憶に定着するまでに要した時間が、どれだけ短縮されたかという事を節約率を用いて表しています。
例えば、2日後の節約率は27%であるのに対して1日後の節約率は34%というように再学習までの期間が短ければ短いほど、記憶の定着までの時間を早めて時間を節約出来るという事です。
つまり、勉強直後は理解したと思った事でも1日経ち1週間が経つと記憶から忘却されて行くという事なので、簿記の問題演習で1回解けたからというだけでは不十分で反復して学習する事で、記憶に定着させる事が出来ます。
また、簿記検定試験では、問題解答に要する時間制限もありますので、反復学習により練度を上げる事で呼吸するように仕訳が解けるようになっている事も重要です。
簿記初心者が勉強効率を上げる3つのコツ
貸借対照表と損益計算書の見た目を覚える
貸借対照表は借方(左側)が資産、貸方(右側)が負債と純資産により構成されています。
それぞれ、記載された貸借がその勘定科目の増加を表していてます。また、逆側が減少を表します。
例えば、資産の場合は、借方が増加。貸方が減少を表しています。
損益計算書は借方(左側)が費用と利益、貸方(右側)が収益により構成されています。
損益計算書に記載されている貸借が、それぞれの項目の増加を表しています。
また、収益から費用を差引いて残ったものが利益です。
簿記では、日々の仕訳から帳簿への転記など様々な工程がありますが、最終的には、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を作るために行っていますので、マラソンで例えるならば、スタート地点は仕訳、ゴール地点が貸借対照表と損益計算書の作成という事です。
簿記学習初心者で陥りがちなのが、ゴールが分からず迷走してしまうため仕訳で貸借の処理を誤ってしまう事です。
財務諸表の作成というゴールを念頭に置く事で日々の仕訳を迷うことなく行う事が出来ます。
貸借対照表と損益計算書は、何も見なくともイメージ出来るようにしておくと後々の学習が楽になります。
資産・負債・純資産・費用・収益に分類される勘定科目名を覚える
貸借対照表と損益計算書のそれぞれの項目にどの勘定科目が分類されているのかを覚えるには、問題演習を数多くこなす事で知識ではなく技能まで落とし込む事が肝要になります。将来的により高度な資格を目指す場合や簿記を仕事にする場合にも基礎をしっかり抑えておく事で、応用が利くようになります。
それぞれの項目に分類される代表的な勘定科目と特徴です。
- 資産・・・現金・預金や建物など、会社の資金または事業を行うために所有する必要なもの
- 負債・・・買掛金や借入金など、会社が支払う必要があるもの他人資本とも言います。
- 純資産・・・資本金や利益剰余金など、会社の事業規模や収益力を表す自己資本とも言います。
- 収益・・・売上や雑収入など、事業上の収入
- 費用・・・給料や交通費など、事業上の経費、ほとんどの勘定科目名が〇〇料や〇〇費となっている。
仕訳の際は分かる勘定科目から考える
仕訳で困った場合に、処理の分かりやすい科目、例えば現金・預金の増減なのかを考えて片方の勘定科目を確定させる事で自然と相手科目の貸借を確定させる事が出来るというものです。
また、現金・預金は資産科目なので、増加は借方、減少は貸方という事さえ押さえておけば貸借を反対に仕訳してしまうなどの誤りを防ぐことが出来ます。
例えば、出張の際の新幹線代を現金で支払った場合に、現金の支払を起点に仕訳を考えると新幹線代を何で仕訳するか思い浮かばない場合でも現金の減少なので、貸方が現金という事は分かります。すると残る借方が、新幹線代は出張の際の交通費なので旅費交通費になるといった具合です。
仕訳問題の回答そのものは、勘定科目が財務諸表の5項目である資産・負債・純資産・収益・費用のどこに当てはめるかを考えるパズルゲームのようなものです。
初めは、資産と負債、それから費用に属する勘定科目を覚えて行くと仕訳の上達がより効率的になります。
まとめ
- 簿記が社会で役立つシーンは多い
- 短期間に反復して学習する事で記憶に定着していく
- 財務諸表をイメージ出来るようにする事で仕訳間違いを防げる
- 勘定科目を財務諸表の項目に当てはめて考える
- 仕訳は現預金の増減から考えるなど自分なりに分かるものから貸借確定させる
最後までお読み頂きありがとうございます。
当記事が読者方のお役に立てたら幸いです。
References
↑1 | 貸借対照表と損益計算書 |
コメント