
コロナ禍でも業績を伸ばせる企業はあるのかな?

逆境でも増収増益出来る業種が知りたい!
なんてお考えではないですか?
新型コロナウィルスの世界的なパンデミック以降、人の往来を封鎖するロックダウンや外出自粛により経済の停滞、企業の倒産や失業者の増加などをしきりにマスメディアが報じています。
しかし、そのような逆境にありながらも成長を続け過去最高益を記録する企業もあります。
この記事を読んでもらえるとコロナ禍など逆境でも業績を伸ばせる企業また成長産業について理解してもらう事が出来ますよ!
最高益更新企業15社
インフォコム㈱
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:情報システム構築・電子コミック配信
- 売上高:58,375百万(増収率112.84%)
- 当期純利益:5,543百万(増益率115.88%)
- 増収増益継続数:11期
ヘルスケア・電子コミック事業が好調でした。
ヘルスケア事業では、医療機関や介護施設への管理システム導入、電子コミックでは「めちゃコミック」が新型コロナに起因する外出自粛の影響を受けて増収・増益しています。
めちゃコミックの会員数は2020年3月末時点で1,170万人を突破しており、データ分析やAIを活用したマーケティング強化により更なる事業拡大を予想しています。
プロパティデータバンク㈱
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:不動産を管理するクラウドサービスの提供
- 売上高:1,844百万(増収率114.03%)
- 当期純利益:217百万(増益率103.82%)
- 増収増益継続数:4期
不動産業界のあらゆる管理業務を一つのクラウドに集約して効率化を可能とする唯一無二のサービス提供をはじめ、不動産会計・管理ソフトの販売も手掛けます。
また、REITファンド[1]不動産投資信託向けに強みを持っています。
J-REIT市場ではシェア率52%ではあるものの一般企業向けには、占有率3%とまだまだ事業拡大の余地を残しており今後も事業拡大が見込まれます。
(株)イントラスト
- 業種:その他金融業
- 事業内容:家賃滞納保証や医療・介護費の保証など総合保証サービス
- 売上高:3,626百万(増収率115.62%)
- 当期純利益:687百万(増益率121.80%)
- 増収増益継続数:5期
家賃滞納保証では、賃貸契約に連帯保証人が必要な場合に㈱イントラストが保証機関となる事で、成約率を上げる事に貢献しています。医療・介護費保証では、病院や自治体向けに医療費等未払のリスクに対応するため保証機関としての役割を果たしています。
医療・介護費保証については、民法の改正により2019年3月期から認知度が上がり急成長しており売上高成長率490.90%となっています。
伊藤忠テクノソリューションズ(株)
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:伊藤忠系SI。通信事業向けシステム提案から保守まで一貫サービス
- 売上高:4,870百万(増収率:101.45%)
- 当期純利益:284百万(増益率105.18%)
- 増収増益継続数:5期
製造・運輸事業向けインフラ、通信事業者向けインフラ開発が主な収入源になっています。さらに官公庁や自治体、鉄道会社など社会インフラ整備も手掛けます。
また、海外事業展開も活発で、インドネシアのSI企業をM&Aにより取得し事業拡大しています。
SGホールディングス㈱
- 業種:陸運業
- 事業内容:佐川急便の持株会社。宅配・国際輸送、ロジスティクスほか
- 売上高:1,173,498百万(増収率104.95%)
- 当期純利益:47,292百万(増益率108.80%)
- 増収増益継続数:4期
宅配便などの配送業が最大の事業となっており、売上高にして9,554百万(構成比81.42%)となっています。次いでロジスティクス事業[2]倉庫管理が売上高1,358百万(構成比11.57%)で配送業と合わせて売上高10,912百万(構成比92.99%)と事業収益の中核を担っています。
ビッグデータなどIT技術を活用した更なる事業効率化を追求していく方針で、それに伴って利益率の向上が望まれます。
日本新薬(株)
- 業種:医薬品
- 事業内容:医家向け医薬品。泌尿器系や循環器系に強み。機能食品事業も。
- 売上高:116,637百万(増収率101.67%)
- 当期純利益:16,866百万(増益率103.45%)
- 増収増益継続数:10期
抗がん剤や筋ジストロフィー治療薬など重篤な病を治療する新薬開発やプロテインやサプリメントなど機能性食品販売を行っています。
また、新型コロナウイルスに対する取り組みとして核酸医薬品の開発を進めています。
核酸医薬品では、治療薬やワクチンとは異なり、ウイルスそのものに作用し死滅させる事が可能になります。
そのため、核酸医薬品が完成した際には、現在パンデミックとなっている新型コロナウイルス(COVID-19)のみならず、今後発生すると予想されるコロナウイルスに対しても永続的な抗ウイルス薬となりえるとの事です。
㈱DTS
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:金融、通信事業者向けソフト開発
- 売上高:94,618百万(増収率109.11%)
- 当期純利益:7,317百万(増益率107.33%)
- 増収増益継続数:4期
業務効率化システム開発を発注企業毎の状況に合わせてオーダーメイドにて行っています。
金融業界に40年の実績。新型コロナウイルスの影響で業務形態のデジタル化が推進された事で受注が増加し増収になっています。
㈱G-7ホールディングス
- 小売業
- 事業内容:車用品販売・大手業務スーパー経営。オートバックス運営
- 売上高:132,642百万(増収率108.27%)
- 当期純利益:3,523百万(増益率115.85%)
- 増収増益継続数:6期
オートバックスと業務スーパーの運営が主軸となっており、オートバックスで売上高37,486百万(構成比28.26%)業務スーパーで売上高90,202百万(構成比68.00%)という内訳になっています。
業務スーパー事業では、新型コロナウイルスの影響により在宅率が上がった事に起因して、冷凍食品などのまとめ買いが増加し売上を伸長させています。
100年企業を目指して海外進出やM&Aによる事業拡大を行っています。
ジャパンエレベーターサービスホールディングス㈱
- 業種:サービス業
- 業務内容:エレベーター・エスカレーターの保守・リニューアル
- 売上高:21,339百万(増収率119.21%)
- 当期純利益:1,700百万(増益率134.38%)
- 増収増益継続数:4期
関東・東海地方を中心に営業を行っています。全国83拠点中63拠点が関東・東海地方です。
新型コロナウイルスの影響により需要減少が見込まれる中、メーカーに対する価格優位性を前面に出した営業を強化して行くとの事です。
田岡化学工業㈱
- 業種:科学
- 事業内容:住友化学系。医・農薬中間体など精密化学分野に注力。
- 売上高:25,671千円(増収率104.96%)
- 当期純利益:1,897千円(増益率104.28%)
- 増収増益継続数:7期
電子部品や自動車で使用される樹脂原料の開発・販売しています。
電子部品などの精密化学分野において需要が旺盛になっている事で売上を伸長させています。
生産設備の効率化、他社委託製造などを通して供給能力を拡大していく見通しです。
㈱丸和運輸機関
- 業種:陸運業
- 事業内容:桃太郎便による宅配、低温・医薬品物流
- 売上高:98,348百万(増収率114.90%)
- 当期純利益:4,818百万(増益率123.50%)
- 増収増益継続数:7期
全国のスーパーなど量販店への物流を担っています。主な取引先にセブンイレブン・コカコーラ・アマゾンなど。
また、人財育成にも力を入れていて「丸和ロジスティクス大学」を開校しています。
キャリア毎の社内研修体制を整備しており、将来的には法人化を目指しているとの事です。人は石垣、人は城とは良く言ったものですね。
㈱ヤオコー
- 業種:小売業
- 事業内容:埼玉を地盤として1都6県に渡って食品スーパーを展開
- 売上高:442,220百万(増収率105.86%)
- 当期純利益:12,458百万(増益率105.59%)
- 増収増益継続数:11期
埼玉を中心として食品スーパーを運営しています。PB[3]プライベートブランドの開発に注力しており、他社との圧倒的な差別化を図っています。2020年3月期においては、PB商品のみで売上高10,000百万達成しています。
新型コロナウイルスの影響により在宅率が上がっているため巣ごもり消費需要により売上が押し上げられています。
㈱システムリサーチ
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:情報システム構築と保守・運用。トヨタ向け4割。
- 売上高:16,250百万(増収率114.83%)
- 当期純利益:1,237百万(増益率134.45%)
- 増収増益継続数:10期
主にシステム開発を行っています。トヨタ向けのSI事業が売上高6,802百万(構成比41.9%)顧客からの受注によるソフトウェア開発が売上高8,565百万(構成比52.7%)となっています。
また、国連が2030年までに達成すべき目標としているSDGs[4]持続可能な開発目標への取組として、省エネなど環境に配慮したものづくりや女性の働きやすい環境づくりなどを行っています。
綜合警備保障㈱
- 業種:サービス業
- 事業内容:警備サービス大手アルソックを経営。介護事業に注力。
- 売上高:460,118百万(増収率103.73%)
- 当期純利益:24,163百万(増益率108.50%)
- 増収増益継続数:4期
日本最大手の警備会社ですね。セキュリティ事業を主軸として売上高358,118百万(構成比77.83%)となっています。介護事業にも注力しており積極的なM&Aにより事業を拡大しています。
また、三菱商事㈱との資本業務提携により海外事業も強化しています。
㈱エーアイ
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:音声合成エンジン「AITalk」を開発・販売。
- 売上高:819百万(増収率111.12%)
- 当期純利益:172百万(増益率114.66%)
- 増収増益継続数:6期
音声合成に特化した、日本唯一の会社として、音声合成ソフト開発を手掛けています。
音声合成ソフトの利用シーンは、多様な広がりを見せており、法人向けサービスとして防災行政無線(J-ALERT)、pepperくんやマツコロイドの音声に使用されていたり、個人向けサービスとして文章読み上げソフトVOICEROIDシリーズが発売されています。
新型コロナウイルスの影響により在宅率が上がる事で、個人向けサービスの販売拡大が見込まれています。
さらに、2020年7月30日には、新世代歌声合成ソフト「Synthesizer V 琴葉 茜・葵」が発売されると発表されました。メロディーと歌詞の情報を与えるだけで琴葉 茜・葵VOICEROID姉妹が歌う事が出来ます。
逆境に強い企業の特徴とは?
ここまで、コロナ禍にあっても増収増益を果たし、さらには最高益を記録した企業をみてきました。紹介出来た企業は極一部に過ぎませんでしたが、そこから見えた逆境に強い企業の傾向を解説します。
- 需要が拡大している産業
- 他社と差別化されたプロダクツを持っている
- 競争力が高く市場シェアを持っている
- コロナ禍に起因する不安解消
- イノベーションが起こせる企業
需要が拡大している産業
情報・通信業が軒並み最高益を記録している事からも、そもそも業務効率化やデジタル化の潮流があり需要の拡大する成長産業だった上に、コロナ禍によりテレワークが推奨される事で、働き方や会社としての在り方が加速度的に変革を必要とされる状況になった事により需要の底上げがされた事が分かります。
他社と差別化されたプロダクツを持っている
イントラスト・ヤオコー・エーアイに顕著です。
イントラストでは、家賃・医療費の滞納保証。ヤオコーでは、PB商品。エーアイでは音声合成。と言った具合です。
唯一無二のそこにしか無いサービスであれば過当競争に巻き込まれる事も無く逆境においても高い利益率を確保し続けれられるという事ですね。
競争力が高く市場シェアを持っている
佐川急便やアルソックが分かりやすいですが、G-7ホールディングスについて見ていきましょう。
G-7ホールディングスでは、オートバックスと業務スーパーを基幹事業としており、フランチャイズ加盟する事で販売店を全国に展開させています。またM&Aを積極的に行う事で拡大ペースを加速させています。
一から自社ブランドを作るのでは、時代の変遷が激しい現代においては、認知を得てブランドとして定着するまで時間がかかり過ぎる事が考えられ既知となってブランドの確立されたフランチャイズへ加盟する事は、売れるものを売るという合理的な判断だと言えますね。
コロナ禍に起因する不安解消
イントラストの家賃・医療費の滞納保証やヤオコーなど小売業での買い溜めによる売上の増加にコロナ禍での不安とそれに関連する需要増加が見られます。
また、消費される事で物流も活発になりますので、丸和運輸に代表される陸運業の業績にも影響しています。
イノベーションが起こせる企業
情報・通信業に見れるシステム開発や新たな需要の創造などがイノベーションにあたります。
また、他業種においても、社内の人材教育体制が整備されていたり、製薬では、今後も予想される新たなコロナウイルスなど潜在的な需要に対処出来る企業が成長を続け、今後も市場に生き残り続けるという事が見て取れます。
これは、地球史的にも言える事で、数億年前には恐竜など人間よりも強力で物理的には到底敵わないような生物が地球上には存在していましたが、現代では見る影もありません。進化論を唱えた歴史的な生物学者ダーウィンが言うように生き残るのは、力が強いまた賢いものではなく、変化に対応出来るものだという事です。人間の織り成す経済もまた生き残るのはイノベーションが起こせる変化出来る企業だと言えますね。
まとめ
- コロナ禍という逆境の中でも業績を伸ばす企業がある
- 情報・通信業に成長企業が多い
- 他社との差別化
- イノベーションこそ生き残る手段
最後までお読み頂きありがとうございます。
当記事が読者方のお役に立てたら幸いです。
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