
NISAとつみたてNISAにはどのようなメリット・デメリットがあるのだろう?

NISAとつみたてNISAの違いやどちらが自分に最適なのか知りたい!
なんてお考えではないですか?
NISAは国が推進する少額投資非課税制度で、NISA口座で運用する株式等の売却益や配当金が非課税になる制度です。
期間限定の制度となっていますが、延長も決定していてこれからも始めてみたい方でも十分に制度を使って効率の良い資産形成をする事が可能です。
この記事を読んでもらえるとNISA・つみたてNISAのメリット・デメリットまたどちらのNISAが自分自身に最適なのか理解してもらう事が出来ますよ!
NISA・つみたてNISAとは?
NISAとは、国が主導する少額投資非課税制度です。
NISA口座で運用する株式等は非課税期間中に得られた売却益や配当金が通常は税率20.315%の税金がかかりますが、非課税になる税制優遇が受けられます。
現在は、一般NISAの他に長期投資向けの「つみたてNISA」と子どもを持つ世帯向けの「ジュニアNISA」があります。
3つのNISAの比較やメリット・デメリットを理解して最適なNISAを選びましょう!
NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA比較
3つのNISAそれぞれの特徴を一覧表で確認してみましょう。
つみたてNISA | NISA | ジュニアNISA | |
対象者 | 日本在住で20歳以上 | 日本在住で0歳~19歳 | |
金融機関変更 | 可 | 不可 | |
非課税投資枠(年) | 40万円 | 120万円 | 80万円 |
非課税期間 | 最長20年間 | 最長5年間 | |
投資可能期間 | 2042年まで | 2028年まで | 2023年(制度廃止) |
口座開設可能数 | 1人1口座 | ||
対象商品 | 国が指定した投資信託 | 株式・投資信託 | |
払出制限 | 無 | 有 | |
スイッチング(買換え) | 不可 | 可 | |
ロールオーバー (翌期の非課税枠への移管) | 無 | 有 |
対象者
NISAとつみたてNISAの対象者は日本に在住の20歳以上の方です。
ジュニアNISAは、日本在住の0歳~19歳を対象としています。
金融機関の変更
NISAとつみたてNISAでは、口座開設後の金融機関の変更は可能です。
ただし、金融機関の変更をする際は、NISA口座で保有する株式等を時価で受け入れる事になります。問題点については後述します。
ジュニアNISAでは、金融機関の変更をする事は出来ません。
非課税投資枠
NISAは年間120万円(最大600万円)、つみたてNISAは年間40万円(最大800万円)、ジュニアNISAは年間80万円(最大400万円)まで非課税です。
あくまで投資額なので、値上がりにより株式等の価格が非課税投資枠を超えてしまっても投資額が上限に達するまでは非課税枠により運用出来ます。
また、非課税枠は毎年設定されていますが、使いきらなかった非課税枠を翌年に繰越す事は出来ない点は理解しておきましょう。
非課税期間
NISAとジュニアNISAはは5年間、つみたてNISAは20年間、非課税で運用する事が可能です。
NISA口座の運用イメージです。毎年120万円までの非課税枠が使えますので最大投資額600万円までの株式等を非課税で運用出来ます。
出典:金融庁:NISAの概要
投資可能期間
NISAは2028年まで株式等の購入が可能です。最長非課税運用期間は2033年までになります。
つみたてNISAは2042年まで投資信託の購入が可能です。最長非課税運用期間は、2062年までです。
ジュニアNISAは2023年で廃止されますが、それまでは新規買付が可能です。最長非課税運用期間は2028年までです。
口座開設可能数
NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAで1人1口座までです。
そのため、NISAとつみたてNISAの口座を並行して運用する事は出来ません。
また、ジュニアNISAについては、運用期間終了後は自動的にNISA口座へ移行します。
対象商品
NISAとジュニアNISAでは、株式や投資信託が投資対象です。
つみたてNISAでは、国の審査基準を満たした手数料が低水準・分配金が頻繁に払い出されない長期投資向けの投資信託のみが投資対象です。
投資信託は5,000種類以上もあり中には毎月分配型などの本来の投資信託の強みである複利効果のないものや手数料が不当に高いと判断されるような顧客本位でないものもありますので、事前に国の審査を通してそのような長期投資に非適格な商品が排除されているので安心です。
払出制限
NISA・つみたてNISAでは、払出制限はありません。運用額はいつでも取崩せます。
ジュニアNISAでは、口座名義人が18歳になるまでは払出が出来ません。災害時などを除き途中で払い出す場合は、運用当初まで遡って課税されるので注意しましょう。
スイッチング(買換え)
NISA・ジュニアNISAでは、運用中途の投資信託を売却し他の銘柄を購入し買換える事が可能です。ただし、買換えるためには、購入後の投資信託を受け入れ可能な非課税投資枠が必要です。
つみたてNISAでは、スイッチング出来ませんが、投資先の変更は可能です。もしこれまで運用してきた投資信託よりも好条件の投資信託がある場合は、これまで運用してきた投資信託への積立をストップして別銘柄の投資を行う事は可能です。非課税期間の中途で投資信託を売却してしまうと非課税での運用が出来なくなるので注意が必要です。
ロールオーバー(翌年の非課税枠への移管)
NISAとジュニアNISAでは、5年間の非課税期間終了後にロールオーバー(翌年の非課税枠へ移管)する事で引き続き非課税で運用する事が出来ます。
つみたてNISAは、ロールオーバー出来ませんので、非課税枠での運用が終了した後は売却するか課税口座へ移管して運用する事になります。
NISAのメリット
課税口座であれば、売却益や配当金に税率20.315%の税金がかかりますがNISA口座で運用する事で非課税になります。
非課税枠は年120万円までですが、たとえ運用する株式等が値上がりして運用額が120万円を超えたとしても当初の投資額で考えて120万円までは非課税で運用出来ます。
また、5年間の非課税期間が終了した際には、ロールオーバーして翌年の非課税枠へ移管する事が可能です。もちろん、その時点で売却したり課税口座へ移管させる事も出来ます。
投資方法は、毎月定額を買付ける方法と相場を判断して買い時と判断した場合はスポットで買付ける事も可能です。
NISAとつみたてNISAを1年に1度切り替える事も可能ですので、投資判断による柔軟な対応をする事が出来ます。
1年に1度、金融機関を変更する事も出来ます。金融機関によっては取扱っている株式や投資信託に違いがありますので、現在使っている金融機関に欲しい銘柄が無い場合にも対応出来ます。
ただし、他の金融機関へ移管する場合は、NISA口座で運用していた株式等を時価評価する必要がありますので注意が必要です。
NISAのデメリット
NISA口座は1人1口座までとなっていますので、NISAとつみたてNISAを併用する事は出来ません。どちらか一方のみを選択する必要があります。
年間120万円の非課税投資枠を使い切らなかった場合に翌年に繰越す事は出来ません。あくまで、年間の非課税投資枠の上限は120万円です。
NISA口座で保有する株式等で売却損が発生したとしても他の口座で運用する株式の配当金などの収益と相殺する事は出来ません。また、売却損益は給与所得など他の所得と通算する事も出来ません。
投資対象は株式や投資信託ですので、元本保証される預金とは違い運用次第では元本割れするリスクがありますので商品選びには気を付けましょう。
NISA口座以外で運用する株式等をNISA口座に移管して非課税で運用するといった事も出来ません。NISA口座で運用出来るのは口座開設後にNISA口座で買付した金融商品だけです。
非課税期間が終了し課税口座へ移管する際は、移管時点の時価評価を行います。例えば当初買付した際の価格は100千円だったとします。非課税期間が終了したので課税口座へ移管する際に時価評価して80千円に値下がりしていたとします。その後課税口座で100千円に値上がりしたので売却したとします。この場合は、課税口座への移管時の時価80千円と売却時の価格100千円の差額20千円が売却益となり課税の対象になります。
当初買付けた価格は100千円でしたので売却価格の100千円は価格が元に戻って±0と思うかも知れませんが、移管時に時価評価していますので、このような課税関係になる事は理解しておきましょう。
つみたてNISAのメリット
毎年40万円の投資額まで非課税で運用出来ます。投資信託が値上がりする事で運用額が40万円を超えたとしても投資額が40万円以内であれば非課税です。
最長20年と長期間に渡って非課税で運用する事が出来ます。非課税期間であっても運用する投資信託を売却する事も可能で払出に関する制限はありません。
つみたてNISAの投資対象となる投資信託は国の基準をクリアした低廉な手数料や毎月分配金が払い出されないなど長期投資向けの金融商品のみなので予め顧客本位でないジャンク要素を含んだ商品が排除されているので安心して運用出来ます。
つみたてNISAのデメリット
NISA口座は1人1口座までです。NISAとつみたてNISAどちらで運用するかは選択する必要があります。
年間40万円の非課税枠を使い切らなかったとしても翌年に繰越す事は出来ません。
つみたてNISAで運用する投資信託を売却して損失が出たとしても他の口座で運用する株式の配当金や売却益と相殺する事は出来ません。
投資方法は、毎月定額の積立投資のみでスポット購入出来ないので注意しましょう。
20年間の非課税期間が終了した場合は、ロールオーバーする事が出来ませんので売却するか課税口座へ移管するかを選ぶ必要があります。
NISA・つみたてNISAまとめ
- NISAには、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類ある
- NISA口座は1人1口座まで。NISAとつみたてNISAのどちらで運用するか選択する
- NISAでは、売却益や運用益が非課税
- NISAは損失が出ても他の所得と損益通算出来ない
- NISAは短期で株式や投資信託を売買して売却益を得たい方に向いています
- つみたてNISAは長期の積立投資により複利効果を得たい方に向いています
最後までお読み頂きありがとうございます。
当記事が読者方のお役に立てたら幸いです。
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